医学科

医の原点に立った高度な医療技術と問題解決能力を身に付け、「人を治療する」人として、質の高い医師を目指す。
学科のポイント
分子レベルにまで及ぶ疾患の解析をはじめ、病因となる遺伝子の発見や免疫の獲得機序の解明など、医療は日進月歩しています。しかし、がんやエイズ(後天性免疫不全症候群)といった難病の発症メカニズムの解明や治療法の確立など、解決すべき課題は今も山積しています。そのため医学は、さらなる進化・発展を遂げねばならず、本学医学科にもその一翼を担うことが課されています。
一方、「臓器移植に関する法律」の成立や遺伝子レベルでの解析実用化を背景に、生命操作などに関する議論が高まり、医学は臨床での医療に限らず、人間の根源を問う倫理の学問としても探究されるべき時代を迎えています。また、医師と患者の関係についても、両者が納得・合意するまで話し合い、協力して治療に取り組むことが、これまで以上に強く求められていくでしょう。そのような時代の医師に不可欠なのは何か。日々進化する医学や医療技術の修得はもちろん、高い倫理観を備えつつ患者と誠実に向き合い、人々から信頼を得ることができる”豊かな人間性”にほかなりません。
これらを大前提に本学医学科では、あらゆる分野に対応できる医療技術と問題解決能力を高める統合教育を実施すると同時に、「人が人を治療する」という医の原点に立ち続け、”人間”として質の高い医師を育成していきます。
→もっと詳しく(学問の解説・カリキュラムなど)(大学公式サイト)
このような方におすすめ
- 人間性豊かで優秀な臨床医になりたい。
アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)
養成する人材像・教育課程の特色
医療のプロフェショナルとしての誇りと広い視野を持ち、患者に寄り添い、地域社会に貢献する医師の育成が医学科の目標です。基本的医療専門知識と技術を身に付けるための基礎・臨床医学教育科目を基盤に、低学年からの早期臨床医学体験、共通教育、研究室配属を通し、医療人としての幅広い教養、生命倫理の重要性、科学的探究心、論理的思考力を修得します。高いコミュニケーション能力、グローバルな視野で地域に貢献できるように英語での医療面接も行います。高学年の診療参加型実習で病歴聴取、身体診察・手技など診察技能や診察所見に基づく臨床推論能力の向上をめざし、多職種連携教育、健康行動科学の重要性を追求します。また、医学科では「人が人を治療する」という原点に立ち、高い倫理観と豊かな人間性を併せ持った医師・医学研究者の育成を目指します。
求める人材像(求める能力)
- 知識・理解
高等学校の教育内容を学修し、医師になるための十分な基礎学力を有する人 - 技能
自らの視点で物事を解釈・表現し、他者と良好な関係を築く能力を有する人 - 態度・志向性
高い倫理観を有し他者を尊重でき、自律学習能力と自己研鑽を継続できる人 - その他の能力・資質
国際的な医療制度に関心を持ち、公衆衛生学的見地から地域社会に貢献する人
入学者選抜のねらい
医学科は、学びや諸活動の中で挑戦し続ける意欲あふれる人材や、多様な背景を持ち、さまざまな能力を有する人材を国内外から広く受け入れます。
そのために、これまでに培われた基礎学力、活動や経験を通じて身に付けた能力、資質、学ぶ意欲などを、多面的・総合的に評価する多様な入学試験を実施します。
実施する入試制度
- 学校推薦型選抜(A方式・地域枠)
- 一般選抜(系統別日程・共通テスト利用型(Ⅰ期))
- その他の入試制度(学部留学生選抜)
募集人員や、他の学部・学科で実施する入試制度は、入試ガイド をご覧ください。
パンフレット
学部ガイド・入試ガイド・大学案内など、パンフレットは大学パンフレットからダウンロードできます。
ミニ講義ビデオ
福岡大学教員によるミニ講座や夢ナビWebでの模擬内容の閲覧のほか、講義ビデオや教員からのメッセージビデオを視聴いただけます。
- 法医学を学んだ「法医」の重要な役割と求められる能力とは
(医学部 医学科 教授 久保 真)
- 全学部・学科の一覧を見る
学問分野紹介コラム
このコラムは学問分野(法学、機械工学、薬学などの◯◯学)と近年話題になったキーワードを関連付けた読み物です。
このような方におすすめ
- 日々の生活で興味関心のあるものが学問分野とどう関わるのかを知りたい
- まずは学部・学科のイメージを知りたい
コラムを読んで、詳しく知りたい学問分野や学部・学科ができた方は学科のポイントや、学部ガイド(パンフレット)などをご覧ください。
※コラムを読む前に以下にご注意ください
福岡大学で学べる学問分野をもとにコラムを制作していますが、コラムの内容が実際に福岡大学で学べる内容とは限りません。話題になったキーワードと学問分野の関わりを紹介したコラムとしてご覧ください。
医学×AI(人工知能)
医療AIと医師は掛け算でうまくいく!?
日々、目を見張る進歩を続けている「AI(人工知能)」。中でも医療現場で注目されているのが「画像診断」の医療AIです。診察などで蓄積された膨大な画像データをもとに、がんなどの悪性腫瘍を検出することができます。特に肺がんの検出率は、医師を上回り、さらなる早期発見が期待されています。これほど医療に貢献できる理由は、医療AIには先入観や思い込みがなく、あくまでデータを根拠にしているため。では近い将来、医療の諸分野で医師の能力を超えるかというと、そうはならないとの見方が大勢を占めます。それは医療AIが限られた範囲やルールでの作業は得意でも、複雑な要件や例外の内容に対応ができないと考えられているため。また、患者と対面し、病気に対する不安を拭う温かな言葉をかけたり、患者の意志に沿った治療を行ったりすることはできないためです。現実には、「医学」の知識と専門のスキルを持った医師が、時に医療AIの力も借りて治療を行うことが最善の方法といわれているのです。
医療AIに関連するコラム
医学×少子高齢化
少子高齢化が進む日本のこれから
世界でもトップレベルの長寿大国・日本。「医学」が進歩した功績ですが、年々国民の平均寿命が延びており、2025年には約3,657万人が65歳以上になるといわれています。高齢者の人口増加に比例して、現在の医療では完治が困難な疾病にかかる人も増えています。このような社会情勢の中で注目されているのは、iPS細胞に代表される再生医療だけではありません。例えば、「バイオバンク」。患者の血液や尿などの生体試料を収集・保存して、国内外の研究所や大学病院で研究する仕組みで、解明されていない病気(がんや認知症など)の原因や治療法の研究、創薬につなげることを目的としています。もう一つが、「地域包括ケアシステム」。この仕組みは従来の「病院中心の医療」ではなく、患者中心の住み慣れた地域が最後まで患者を支える「地域完結型の医療」体制です。このように高齢者が完治しない疾病や老いとうまく付き合い、生活の質(QOL)を最大化するためには、さらなる医学の進歩と地域の特性に合ったサポートシステムの運用が期待されています。
▽参照元
・国立循環器病研究センター バイオバンクHPより
・厚生労働省HP内、「今後の高齢者人口の見通し」データより
少子高齢化に関連するコラム