地球圏科学科

自然科学の基礎を徹底的に、地球・大気・生物を専門的に学び、この星と生命の未来への貢献を目指して。
学科のポイント
地球圏科学科の特長は、物理学、化学、生物学、地学といった地球や生命を理解するための自然科学を、幅広く基礎から学べることです。
1・2年次の学習によって抱いた興味や関心によって、3年次からは地球科学分野、地球物理学分野、生物学分野のいずれかを選び、専門的かつ統合的に学びます。
地球と生命を相手に、豊富な実験、演習、フィールドワークに取り組みます。
目指すのは、自然科学を通して地球と生命の未来に貢献できる”私”です。
→もっと詳しく(学問の解説・カリキュラムなど)(大学公式サイト)
このような方におすすめ
- 自然、地球、生物に関心がある。
- 実験やフィールドワークが好き。
- 理科の先生になりたい。
アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)
養成する人材像・教育課程の特色
地球圏科学科は、気圏、水圏、岩石圏、および生物圏からなる「地球圏」で起きている様々な現象について、科学的解析能力を養い、その成り立ちから未来展望に至る幅広い視野と知識を習得し、健全な未来社会の発展に貢献できる人材の育成をめざしています。その実現のためカリキュラムツリーに示すように、1,2年次では理科の必修実験科目を根幹とし、数学、物理学、化学、生物学及び地学などの専門基礎科目で知識のすそ野を拡げます。さらに3,4年次では、地球科学、地球物理学、生物学のいずれかの実験科目群を選び、専門的な解析能力を高めるとともに、幅広い専門科目で地球圏に対する知識の枝葉を拡大し、卒業論文で論理力、分析力、創造力及び未知の現象を解明する力を結実させます。さらに語学や共通教育科目を通じて、グローバルに活躍できる人材の養成を目指しています。
求める人材像(求める能力)
- 知識・理解
高等学校の教育内容を幅広く学び、大学の学びに取り組める基礎学力を有する人 - 技能
理科の実験が好きで、観察した現象を科学的に順序だてて説明することができる人 - 態度・志向性
自然現象を観察し、常になぜだろうと原因追究し、得られた専門知識をよりよい未来社会実現のために活用したいと考えている人 - その他の能力・資質
実験や観察を続ける忍耐力があり、地球的視野で自然現象を調べるために語学に興味がある人
入学者選抜のねらい
地球圏科学科は、気圏、水圏、岩石圏、生物圏でおこるさまざまな自然現象に興味を持ち、学びや諸活動を通じて常になぜだろうと考え、疑問に挑戦し続ける意欲あふれる人材や、表現力を含む多様な能力を有する人材を、国内外から幅広く受け入れます。
そのために、これまでに培われた基礎学力、諸活動や経験を通じて身に付けた能力、資質、学ぶ意欲などを、多面的・総合的に評価する多様な入学試験を実施します。
実施する入試制度
- 総合型選抜(アスリート特別選抜)
- 学校推薦型選抜(A方式)
- 一般選抜(系統別日程・前期日程・後期日程・前期日程・共通テスト併用型・共通テスト利用型(Ⅰ期・Ⅱ期))
- その他の入試制度(帰国生徒選抜・編・転・学士選抜・学部留学生選抜)
募集人員や、他の学部・学科で実施する入試制度は、入試ガイド をご覧ください。
パンフレット・学科紹介動画
学部ガイド・入試ガイド・大学案内など、パンフレットは大学パンフレットからダウンロードできます。
また、受験生のためのライブラリー「FUKUTANA」には、学科紹介動画等も掲載しております。ぜひ、ご覧ください。
ミニ講義ビデオ
福岡大学教員によるミニ講座や夢ナビWebでの模擬内容の閲覧のほか、講義ビデオや教員からのメッセージビデオを視聴いただけます。
- 細胞の骨格と動くしくみ
(理学部 地球圏科学科 教授 中川 裕之)
- 全学部・学科の一覧を見る
学問分野紹介コラム
このコラムは学問分野(法学、機械工学、薬学などの◯◯学)と近年話題になったキーワードを関連付けた読み物です。
このような方におすすめ
- 日々の生活で興味関心のあるものが学問分野とどう関わるのかを知りたい
- まずは学部・学科のイメージを知りたい
コラムを読んで、詳しく知りたい学問分野や学部・学科ができた方は学科のポイントや、学部ガイド(パンフレット)などをご覧ください。
※コラムを読む前に以下にご注意ください
福岡大学で学べる学問分野をもとにコラムを制作していますが、コラムの内容が実際に福岡大学で学べる内容とは限りません。話題になったキーワードと学問分野の関わりを紹介したコラムとしてご覧ください。
地球科学×電力自由化
地熱の現状とその展望
電気小売業への参入が全面自由化され、電気の売り手やサービスを自由に選べるようになりました。環境問題やエコブーム、東日本大震災での教訓もあり、太陽光、地熱、風力発電などの自然由来の電力への関心が個人や企業でも高まりつつあります。その中の一つ「地熱発電」は、地下のマグマの熱エネルギーを利用します。地下深部に浸透した雨水や雪などがマグマの熱で高温の地熱流体となり、それを取り出してタービンを回すことで発電を行います。地熱発電の特長は、化石燃料と比べて地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出せず、天候や時間帯に左右されずに安定的に電気を作れることです。また日本は、地熱資源量が世界第3位の資源大国で、九州や東北地方などに数多くの地熱発電所が設置されている現状があり、さらなる地熱開発が期待されているのです。このような地下の物質やエネルギーなどを研究対象にしているのは「地球科学」という学問分野です。その他、地下のマントルや核など地熱エネルギーを生み出す地球内部にまで迫り、岩石や鉱物など地殻物質の生成・分解過程をはじめ、生命の誕生・進化と地球環境との関係などを研究・解析する分野もあります。まさに地球全体を対象にする幅の広い学問分野といえるでしょう。
▽参照元
・経済産業省 資源エネルギー庁HPより「電力の小売全面自由化とは」
・「日本のエネルギー事情と地球温暖化」経済産業省 資源エネルギー庁HPより
・「地熱エネルギーとは」経済産業省 資源エネルギー庁HPより
・「世界の地熱発電」JOGMEC
・「日本地熱協会」HPより
電力自由化に関連するコラム
生物学×毒・ヒアリ
ヒアリの被害とその予防について
2017年、海外から日本へ運ばれてきたコンテナから、猛毒成分を持つ「ヒアリ」が発見されたことが全国的なニュースとなりました。その後も国内で立て続けに目撃され、すでに繁殖している可能性も伝えられています。南米ブラジルが原産のヒアリは、熱帯雨林に生息していましたが、環境への適応能力が非常に高いため、太平洋周辺の国々へと生息域を拡大しました。ヒアリは極めて攻撃性が高く、他種のアリを駆逐したり、節足動物や小型のほ乳類を捕食したりと生態系に影響を及ぼします。また毒針で刺されることによる家畜の死傷被害例や、アレルギー性ショックによる人の死亡例も海外では報告されています。日本への上陸が報告されて以降、環境省では駆除方法の具体例を示し、ヒアリの繁殖や被害の予防についての注意喚起をしています。このように生物は、さまざまな気候や生息環境に適応しながら生息域を拡大しています。それを防ぐには生態や行動を多角的に分析することが重要となります。「生物学」では、アリやミツバチなどの社会性昆虫の行動を、環境との関わり、社会内でのコミュニケーションや、その情報の神経系での処理の仕組みなどの観点から調べる研究もあります。
▽参照元
・「危険な外来生物」東京都環境局HPより
・「ストップ・ザ・ヒアリ」環境省HPより(PDF)
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